ぜひぜひ読んでほしい本のショートreviewをUPします!
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聴導犬こんちゃんがくれた勇気 難病のパートナーをささえて

 聴導犬という存在はしっていたつもりだけれど、どこかイメージが盲導犬と混同していたのだろう。まさか、シーズーのような小型犬が、そんな役割を担っているとは全く知らなかった。

 ペットと間違われ、入店拒否をされるくだりがあるが、悪意のない勘違いや戸惑いが、苦労を抱える人にとって一番の敵なのかもしれないとさえ思う。

 この本は、そんな聴導犬のこんちゃんと、耳が聞こえなくなってしまった仁美さんの二人三脚の生活の物語だ。

 こんちゃんが聴導犬になるまでの道のりと、日本聴導犬協会の役割が丁寧に描かれる。また、くりくりおめめの可愛い写真と、どこかおどけたような一人称の語りは、こんちゃんのまっすぐで人懐っこい性格を手触りのように感じることができる。介助を受けるはずの仁美さんも、介助犬と出会うために、共に生活するためにこんなに訓練と努力をしている事実を、小さな子どもでも、軽妙なタッチで知ることができるように描かれている。

 「こんちゃん」は、可愛い名前だという感想は誰でも持つのだろうと思うが、耳の聞こえない人でも発音しやすい名前なのだそうだ。そんなたわいない知識の積み重ねこそが、真の理解への近道なのだとも思う。

 聴導犬には見えないこんちゃんと、耳が聞こえない障害を持っているとは外見からは想像もできない仁美さん。

 一番素敵だなと思うのは、こんちゃんは聴導犬に適した資質を持った犬だが、けして、パーフェクトで特別なエリート犬ではないというところだ。あごの骨が弱く、何度かの手術を乗り越えて、聴導犬に成長していく。資質を最大限に活かし、認められ、困難を乗り越える時間を誰かに待っていてもらうというのはなんて幸せなことだろうとこんちゃんの姿を見て思う。

 小さな知識と、小さな幸せを積み重ね、人生には光がさす。そんなことを考えさせてくれる本。

 子どもたちはもちろん、大人にも是非手に取ってもらいたい作品である。

 

 

 

         

         書籍データ 盒兇Δ蕕蕁〆遏ヾ篋蟒馘后201810 

| 23:40 | 児童文学 | comments(0) | trackbacks(0) |
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