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アクトン ベイビー−Act on BABY− 全三巻
 高校演劇の話である。

 早乙女ひろみ(男子)は、高校入学を機に、おとなしいがゆえに出会う理不尽なことを払拭しようと妄想を繰り返している。空想の中での自分は、はっきりモノが言え、自由に輝いているのに現実社会ではなかなかそうはいかない。

 偶然、隣の席になった、武上あきら(女子)は、なかなかの美女なのに、ひろみと奇妙な距離をとろうとする。その不思議な距離感に惹かれ、ひろみは、あきらの姿を追いかけているのだった。

 そこで出会った演劇。

 ちょっと変わった先輩と、あきらの存在に引き込まれ、ひろみは演劇部に入部することになる。

 漫画のセリフをグループで朗読し、通行人に訴えかけるストリートパフォーマンス。お化け屋敷での実演で、観客を、舞台の下の一括りの観客という存在から、ひとりひとりの存在に分けて実感する訓練。

 今を生きる高校生たちの、舞台への思いを描く。

 この物語にあるのは「今」だけだ。将来の夢にも、自己表現にも大きく踏み出すことはない。そのことが、物語にリアリティと解放感をもたらしている。高校生という狭い世界、されど、大きな時間と、強い自我、変えたいという願い、一緒にいたい、あの場所にいたいという思い。高校生という時代は、そういう時代ではなかったか。

 開演の時間、舞台の上にいれば、なんだってできる。

 幕を開けよう。

 あがき続けながらも、何かを演じ、自分の何かを変化させようとする高校生たちの物語。



 天才肌の鳥海潤の登場で、少し違う動きがありそうなところで終わってしまったのは少し残念。漫画の宿命というところか。うまく完結させているので全三巻違和感はないけれど、もう少し読んでいたかったのいうのが正直な感想。








                  

              書籍データ 秋田書店 高田桂 201411〜201506
| 22:57 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0) |
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