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マリアンは歌う
 かの世界的な指揮者・アルトゥーロ・トスカニーニに「あなたのような声は、100年に一度しかきけない」と称えられた、マリアン・アンダーソンの伝記絵本。

  三オクターブの声が出せ、歌うことの大好きなマリアンは、教会の聖歌隊として活躍していた。しかし、黒人という理由で正式な音楽教育を受けることもできない。

 黒人に生まれたら、プロの歌手にはなれないのだろうか、オペラは、けっして手の届かない、はるかな夢でしかないのか。

 揺るがぬ信仰を持つ母親と、マリアンを支える教会の人々は、マリアンに教育を受けさせ、黒人差別のないヨーロッパへマリアンを送り出す。

 そして、マリアンはとうとう歌手として成功するのだ。しかし、アメリカへ凱旋したマリアンを待っていたのは、「白人しかステージにはあげない方針だ」と、使用を断る大ホール。
 生まれた国の首都には、未だ、マリアンにふさわしいコンサート会場は無かったのだ。

 そのニュースは、差別への怒りのデモ行進に発展する。

 マリアンは、人種差別に対して強い態度をとらないことを批判されることもあったという。
 しかし、自分の才能と、最後は受け入れられるに違いないという、マリアンの神の意思を信じて疑わない歩みには計り知れない勇気と希望を感じる。

 マリアンの才能は人々を動かした。
 白人しか歌えなかった場所で歌うことを成し得、客席とて分かれていたものを区別のない座席でないと歌わないという方針を貫いていくのだ。 

 すべてのことに、才能と信仰が勝利した瞬間を、迫力のある美しい絵と、必要最低限の言葉が語る素晴らしい絵本である。


            マリアンは歌う
      書籍データ パム・ムニョス・ライアン 文 ブライアン・セルズニック 絵
                    もりうちすみこ 訳 光村教育図書 201301
| 23:06 | 絵本 | comments(0) | trackbacks(0) |
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