ぜひぜひ読んでほしい本のショートreviewをUPします!
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もののけ温泉 滝の湯へいらっしゃい
 両親の都合で一人で父方の祖母の家にやってきた小学4年生のかえで。
 祖母が営むとらやは、古びた小さな温泉旅館。その離れに一人、最初のうちは、のびのびと大人のいない生活を満喫していたかえでだが、だんだん自由に退屈するようになる。
 ある日、父が自慢していた共同浴場「滝の湯」にふらりとでかけたかえでは、休憩中とはかいてあったものの、お湯の音に誰かがいると思い、中に入る。

 休憩中の入浴をきっかけに、18:00〜18:40の休憩時間だけ番台に立つことになったかえで。
  滝の湯のおばあさんは、お客さんの顔を見てもいけないし、話しかけてもいけないという。

 とらやの看板ネコ、とらの失踪と、滝の湯の関係。
 そして、滝の湯のおばあさんの正体とは?

 どこにでもある田舎の風景。
 観光客で賑わう風情の、一本裏道、いやいや、休憩時間に、脈々と息づく地元の人々の暮らし。その暮らしの中には、ちょっとした不思議の扉が開いているものなのかもしれない。
 
 労働と、入浴のとらえ方が読んでいて心地よかった。
 働いて身体を動かすからこそ、湯は苦労を労い意味を持つ。
 そして、一見、働いてなさそうなものが働いて体を成しているのがこの世の中というものだ。

 かえでは、お客さま的存在でごろごろしていた自分を放棄し、とらやで祖母の手伝いをはじめる。簡単なことからだけど、祖母は喜んでくれ、自分自身充実している。

 特別な夏休みは、田舎の日常に溶け込むことからはじまる。

 溶け込むと、特別。
 この対極にあるように思える言葉が実は地続きなのだと感じさせてくれる物語。

           もののけ温泉 滝の湯へいらっしゃい (おはなしガーデン40)
            書籍データ 岩崎書店 佐々木ひとみ 作 jyajya 絵 201310
| 23:44 | 児童文学 | comments(2) | trackbacks(0) |
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ゆかさま、ご紹介ありがとうございました。
ゆかさんの分科会に提出した「ぼくとあいつのラストラン」で
デビューさせていただいたため、
心の中で「児童文学のおかあさん」と思わせていただいております。
そして、どんな作品を書くときもゆかさんの感想が気になります。
日常と非日常の反転、融合を、自分の意志で行うことができる。
そう思うと、つまらない毎日などというものは、
なくなるんじゃなかろうかと思っております(*^。^*)
| roku | 2013/10/21 09:00 |
roku様

隠し子がいるのは評論家の甲斐性!? と、某歌舞伎役者のごとく認知したいものですが、恐れ多い話です。
roku様のお手紙にありました「土着の魂、旅人の目」で書いていきたいという言葉は、とても感銘を受けました。
今後の私の読書の指針、手渡し手としての指針になっていくと思います。
これからも、郷土愛と好奇心に満ちた作品を生み出してください!

これからも、よろしくお願いいたします!
| ゆかちゃん☆ | 2013/10/21 21:01 |









 
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