ぜひぜひ読んでほしい本のショートreviewをUPします!
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魔女じゃないもん! ぞ辰┐織潺絅Ε潺絅Δ鮹気察
 私はこのシリーズが好きなんです☆
 そして第ごです! きゅるん☆ 
 絶対読んでね〜♪
 なんて、呑気に、だんだん言ってられなくなりました。
  
 ご参考に・・・
 、 
http://yukareview.jugem.jp/?eid=168
◆、 http://yukareview.jugem.jp/?eid=446
  → http://yukareview.jugem.jp/?eid=489

 体力づくりからはじまる魔女修行。
 偉大なる魔女キリコの末裔であることを知ったリセではあるが、不本意な毎日が続いている。そんな中、リセにしか見えない使い魔・猫のミュウミュウが突然いなくなってしまう。
 リセのもとに、ロウで封印された黒い手紙が届く。
「使い魔はいただいた。返してほしければ、サマーフェスティバルに来い」
 魔女っ子バンビと、一緒に乗り込むと、黒ずくめの仮面の男が現れる。
 どうすればミュウミュウを取り返せるのか? 男を倒す、一撃必殺の魔術とは?

 クラスメイトと上手く上手くやっていきたいがばかりに、調和第一を考えていたリセ。リセが、不思議キャラの転校生・バンビと出会い、理解していく中で、調和よりバンビの存在自体を選択し、学校内で波風が立つような自己主張をしなくてはならない局面をクリアしていかなければならなくなる。
 その、リセの様子が、今回の主題、黒ずくめの男・狩人が、積年の恨み、呪いから解き放たれ自分自身の名前を取り戻す様子とが、小さく大きく絡む。
 アイデンティティ獲得を、ハイテンションコメディのような軽さで緻密に描いている。

 また、最後の戦闘シーンでは、セオリーを崩してくる。
 狩人を消滅させないのだ。
 恨みを背負わされた狩人は、悪として倒されるか、悪の部分が殺され善人になって消滅するか二者選択がこの手の物語のパターンではないだろうか。
 しかし、リセは、狩人を殺さないことを選ぶ。
 恨みが強ければ再び対峙しないといけないことも、自分の大切な友だちを怖い目にあわせたことも、全て飲み込み、狩人の名前を探そうとし、その存在をまるごと、受け入れようとするのだ。
 この、キレイごとともとれる物語の展開は、狩人と魔女ではなく、パトリック=ホプキンスと太田理世として出会いなおすというシーンとして、前段のテーマに絡み説得力を持たすことに成功している。

 パターン崩しは、力ある作家ならやってみたい荒事であろうが、これがなかなかムツカシイ。
 そのシーンが、誰もがしっているパターンで、そこに持ち込まれる意思が、普遍的で誰もが知っている正論であればあるほど、エンターテイメント的展開の中で説得力を持たせるのは至難の技だ。
 テレビドラマの名作、特捜最前線の「凶弾・神代夏子死す!」は、脚本家・長坂秀佳が、刑事ドラマのパターンに挑戦した話。犯人が、人質をとり、これ以上近づいたら撃つぞ! と、いってるのにズンズン刑事が近づいて行く場面の違和感。娘が人質にとられ、近づいていく鬼気迫る神代警視生の前で、撃つぞの言葉通り、娘は殺される。
「あんただ・・・あんたが殺したんだ。」
 そこからはじまるドラマである。
 そして、もう一作、上手く崩したと思ったのが、みおちづるの『
少女海賊ユーリ』の最終巻「未来へのつばさ」である。世界を支配しようとするボルド。悪役が持つ、主人公への固執のような恋のような感情は理不尽に物語から制裁を受けるのがパターンである。上手い作家なら、そこを切なく仕上げ、悪役にもファンがつくように描けるシーンであろう。
 しかし、この作品では、ユーリがボルドに対して、一緒に歩もうと手を差し伸べる。この瞬間のボルドの戸惑いは、読者の戸惑いとリンクして一層の切なさの中に、幸福感を残す。
 自分の人生を自分の力で選ぶ女性の強さと正しさが、凛と浮き立った瞬間だった。
 私にとって、本作は、三度目の衝撃。
 そして、特捜が脚本家の挑戦であり、ユーリがユーリの穢れなき強さであったのと対照的に、リセの行動は自然でやわらかい。
 自分の意思を、瞬間的に選び、空気を読まずに行使することは、この年の女の子にとってたいへんな決断であることは間違いないわけだが、リセの気負いなさは特筆に価する。

 なぜかなぁと、考える。
 それが、子どもというものだという言葉しか思いつかない。
 ヤツらは、こういうことを実に単純明快にやってのける。
 空気を読み、クラス平和に頭を悩ましているイマドキの子どもの中の、普遍的なエネルギー、正義感、生命力、そして無邪気な正しさと愛情深さ。
 この信頼感が、自然でやわらかい読後感をもたらすのだろう。

 しかも、このシーンは、クライマックスではあっても、エンディングではない。
 ここから始まる物語。

 さてさて、どうなることでしょう。

 次号を、お楽しみに! きゅるん☆ 
 

            魔女じゃないもん! 4 消えたミュウミュウを探せ! (集英社みらい文庫)
          書籍データ 集英社みらい文庫 宮下恵茉・作 和錆・絵 201305
| 22:29 | 児童文学 | comments(0) | trackbacks(0) |
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