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市川海老蔵 古典への誘い
 京都・南座 2012年9月29日17:00〜の部「市川海老蔵 古典への誘い」を見てきた。

 オープニングトークは、市川海老蔵さんが、スーツ姿で登場。舞台上ではなく、客席におり、来場者にからみながら、能と歌舞伎の歴史、今日の舞台競演への思いなどを語った。

 歌舞伎舞踊の代表的演目の一つである「連獅子」は、能の「石橋(しゃっきょう)」という演目をもとにつくられた作品であるとのこと。
 「古典への誘い」は、その二つの演目を見てもらい、古典芸能へ、多角的な興味を持ってもらおうという海老蔵さん自身の企画とのこと。
 能の方の説明をされた梅若紀彰さんは、なかなか話し上手。
 獅子は、文殊菩薩のつかいであるが、「神」と「鬼」は近いものとして扱われる。 世阿弥は、「風姿花伝」のなかで、「神」を演じるには、どこかしら怒れる風に演じよと書いているのとのことだ。
 神が、純粋な怒りを内包しているという論は、心に響くものがある。
 また、連獅子のトレードマークのような、毛振りはなく、「獅子身中の虫」を追い払うような、胸から振る顎の仕草、顔の動きで獅子の表現をするとのこと。

 そんな説明があって、まずは

◎半能「石橋(しゃっきょう」

 ※半能とは「能の略式上演方式の一つ。ワキの登場のあと、前シテの部分を全部省略し、後シテが出て後半部分だけを演ずる。」とのこと。石橋(しやつきよう)』などは、むしろ半能で上演されることが普通になってきている・・・らしい・・・。

 唐の霊地・清涼山のふもとには、文字通り石でできた橋「石橋」(しゃっきょう)があり、その向こう岸は文殊菩薩が住む浄土であるといわれてきた。その石橋は、幅、一尺に満たず、苔むしていて滑りやすいものであるとのこと。また、そこには文殊菩薩の遣わしめである霊獣の獅子が現れ、咲き乱れる牡丹の花に戯れる姿を見せるといわれている。

 激しい囃子、勇壮な雰囲気。静けさのなかに、鳴り響く笛に、神々しさをこえて、どこか狂気を感じる。

 牡丹の花に戯れつつ豪快に舞い、万歳千秋(国家の長久の繁栄を祝して唱えることば)をことほいているらしいけれど、エネルギーというものは、狂気と隣りあわせかもしれないと感じる激しさだった。その激しさを、ある正しい方向に発散している喜びはあるのかもしれない。そしてそれが純粋な「怒り」であるとされるのも面白い。
 
 そして、歌舞伎では、その「石橋」をもとにして、「石橋物」と言われる数多くの作品が生まれた。
 その中の一つ、

◎歌舞伎舞踊「連獅子」

 こちらは、なじみもあるわかりやすい。親獅子が試練のため子獅子を谷へ突き落とすという比喩をテーマにしており、いつまでたっても谷から登ってこない子獅子への心配や、登ってきた時の喜びを存分に表現し、後半の、牡丹の花に戯れ、文殊菩薩の使いとして踊る毛振りのシーンとなる。

 深いかかわりを持ちながら、どちらも独自のものとして発展してきた、能と歌舞伎。
 その、躍動美の極致、形の中の表現力を並べた上で、存分に味合う趣向なのだから、見るほうはもちろん、演じる側も力が入らないはずがないだろう。
 とても面白い企画だったと思う。いろいろな意味で、刺激的な舞台だった。



                 
 久々の京都・南座だったが、桟敷席に、舞妓さんや、芸子さんがずらりと、ならんでいて、とても華やかだった。連れてこられていた男性に「兄さんおおきに〜」なんて言っていて、生の「兄さん」のイントネーションにちょっとドキドキしたりもした時間だった。(蛇足的感想)
 市川海老蔵の顔は、本当に見るだけで幸せになれるくらい男前である。白獅子のなんて似合うことだろうか☆(さらに蛇足的感想)
| 22:09 | 舞台 | comments(2) | trackbacks(0) |
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こんばんは!
私も29日、南座に行って来ました。売店の人に聞いたら南座2年ぶり位の正真正銘の満員御礼だったみたいですね。
以前金剛流の石橋を見た事がありますが、少しづつ流派で違うんだなと勉強になりました。
スーツの初海老ちゃんは、イタリア系の超イケメンで、やわらかい物腰がとても素敵でしたが、連獅子のお顔を作って来ると歌舞伎の中でも別格の役者さんだと言う事が分ります。手ぶりの下半身の安定感が半端じゃなくて、圧倒的な霊獣のお獅子でした。壱太郎君も可愛かった。
能と歌舞伎のコラボなんて有史以来初めての事とか。
宗家の声掛けでなかったら実現しなかったでしょう。
これからもこういう企画沢山見てみたいです。
| 由美 | 2012/10/02 20:54 |
由美 様

ご来店&コメントありがとうございます。
本当に、面白い企画でしたね!
私は、彦根という「能舞台」に縁のある土地に住みながら、あまり今まで能とご縁がありませんでした。
紀彰さんのお話を聞きながら、金剛流の舞台もぜひ見てみたいなぁと感じておりました。すでに、ご覧になっていて比較できた由美様が羨ましい限りです。

イタリア系イケメン(笑)
危険すぎてぜったい、係わり合いにはなりたくない魅力ですね☆
| ゆかちゃん☆ | 2012/10/03 06:41 |









 
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