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細江英公 × 平野啓一郎 トークイベント
 私は、肖像写真が好きだ。ある一瞬の人の顔に、その人の生き様が象徴される。
 スナップでも、ポートレートでもいいのだが、そんな写真に出会うと心が騒ぐ。
 写真は、生き様も写す。そんな単純な事実が、恐ろしく、そして尊いと思う。肖像写真は、撮影者の被写体への思いも写しこむ。愛や妄想、尊敬、憧れ。撮影者が思い描く、被写体のイメージ、そして生き様でもあるのだ。その視線の交流が、たまらなく親密であると私は思う。

 東京・青山ブックセンターで、「細江英公 × 平野啓一郎トークイベント」が行われた。

 細江英公人間写真集『創世記 若き日の芸術家たち』の刊行を記念して、著者である写真家の細江英公さんから、平野啓一郎さんがエピソードを引き出す趣向だ。
 
 三島由紀夫を被写体とした『薔薇刑』を送り出したことで知られている、細江英公さんが、『薔薇刑』未収録作品を含め、主に知人の芸術家を撮影したポートレイトを集大成した写真集を真ん中に置いての話なので、被写体とのエピソードが、細江さんの芸術論に近く、その形成過程を象徴しているので、興味深い講演となった。
 (お目当ての、平野啓一郎さんの広く深い知識に裏打ちされた、聞き手ぶりも絶品!)

 中でも、心に残ったのは、自分は、被写体が嫌がるような写真は撮らないという細江英公さんの言葉。
 アーティストには作られたイメージがある場合がある。それに則して写真を撮られることを望むアーティストもいる。だから、そういう写真を撮ることもある。しかし、
「世間に知れ渡っているものを撮るのは自分の仕事ではないと思っている。」
 とは言っても、被写体がイヤなものを撮って面白いとは思わないし、それは礼儀だとも思っている、だから、自分の知らない自分を被写体に見つけてもらうために、言葉を尽くし、その場でのせながら、自分の撮りたいところに入ってもらうように雰囲気を作る。アーティストの、内側が表に出る瞬間を逃さず、シュチュエーションをつくるとのこと。
 忙しい人を撮るには、待つことも大切。松下幸之助さんを撮るには四年待った。待っただけの写真が撮れた。
 写真と言うのは、写真であるというだけではなく、写真家の被写体による表現でもある。

 ハイティーンの時から交流のあった、画家の瑛九さんや、哲学者の加藤正さんとのエピソードのなかで、
「作品や出来事を論じる。大人の真剣な議論を聞く、それは凄いことであった。」
と、細江さんは言った。本当にその通りだと思う。

 ポートレイトには、名前しか知らない人や、恥ずかしながら私の人生ではじめて拝見するお名前もあり・・・。細江英公さんの写真で、魅かれた姿の方の仕事を追ってみよう! と、お二人の話を聞きながら思っていた。

 蛇足的感想(でも大事☆)
 講演終了後、お二人のサイン会があった。一流の人は本当に優しく気づかいをされるものだなぁと感じ入った。ミーハーな私は、ウキウキとちゃっかりサインをいただきました。
 

                                         

| 23:15 | 講演会 | comments(0) | trackbacks(0) |
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